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ワキガについて
(原因・治療・再発などについての考察)

欧米人では、ワキガ体質が80%以上を占めていますが日本人は体臭のない人が多く、逆にワキガの人が目立つという事が言えます。体質的には、耳垢が柔らかい人の80%にワキガを合併し、逆にワキガの人の90%以上で軟耳垢を持つと言われています。

遺伝形式としては、優勢遺伝をし、片親がワキガだと50%、両親がワキガだと80%がワキガ体質になると言われています。更に、乳製品や肉食などの欧米型の食生活がワキガで悩む人を増加させています。年齢的には、原因となるアポクリン腺が性腺機能の内分泌の影響を強く受けるため、女性では13~14歳位から、男性では14~15歳位から症状が出現し始めます。また、妊娠中は血中エストロゲンの増加がアポクリン腺の増殖を抑制し、症状を抑えると言われています。

一方、わきが多汗症との関係はと言いますと、ワキガの原因がアポクリン汗腺(アドレナリン作動性の精神的発汗)が原因であるのに対し、多汗がエクリン汗腺(コリン作動性の温熱性発汗)と原因が異なりますが、統計的にはワキガの人は高率(70数%)にわきが多汗症を合併し、ワキガと汗分泌機能との間に密接な関係があることが証明されています。

さて、気になる治療法についてですが、かつては皮膚を大きく切って取ってしまう切除法が行われていましたが、傷跡が目立ってしまい、効果もさ程ではないためワキガ治療の印象を悪くしてしまいました。

現在は脂肪吸引法や超音波吸引法がありますが、前者は脂肪とともにアポクリン汗腺を取る方法で、後者が直接汗腺を破壊し吸い取る方法ですが、いずれもエクリン腺が残り、更に後者では金属が加熱し皮膚の火傷を起こす場合があります。また、いずれも脱毛効果はあまり期待できません。(毛の再生や汗腺の再生に関与するといわれている皮脂腺への効果が不十分と考えられるため)

そこで最近では、皮脂腺を含めた毛根部を十分に掻爬(かき取ること)し吸引する方法が有効と考えられています。こういう方法で十分に毛根部が処理されると、脱毛効果があり1ヵ月位は全く発毛は見られません。その後休止期の毛がでてきますが、30~50%の脱毛効果は持続します。これを直接取ってしまおうというのがいわゆる切開法(剪除法)といわれるものです。これはシワに沿って3~4cm程切開するものです。

通常、前者の吸引法でほぼ十分な効果が期待出来ますが、多汗症で、皮膚の厚い人などでは後者の剪除法が優れていると思います。また、一度ワキガ治療を受けてその後まだ、ニオイや汗が気になるという人も剪除法が確実という事になります。逆に、時々神経質すぎる為に自分をワキガ症だと思い込んでいる人もいます。これは自己臭症といい、本人の思い込みですから外科的治療では改善は無理です。

また、稲葉式もほぼ同様の考え方による治療法ですが、皮膚をかなり薄くするために皮膚のダメージが強くなる欠点が見られ、一般には普及していません。しかし一般にワキの皮膚はほかの部位に比して、皮膚の改善も良い場所で傷跡の心配はほとんどいらない利点があります。

このようにワキガ手術の方法にはいくつかの方法がありますが、きちんと治療が行われさえすればその治療効果はある程度十分であると言って良いと思います。

理由は、ワキガの匂いの原因になるアポクリン汗腺の除去が比較的容易なことと、汗の原因となるエクリン汗腺の除去に限界があるためです。通常一度手術を行うと、その後あまり気にならず経過する人がいる一方で、症状の再発を訴える人もいます。この期間は術後1、2年くらいから6、7年までさまざまです。

私の経験によれば、術後症状の再発を訴える場合に剪除法を行い直視下に汗腺を見ると、本来の汗腺形態としての再発ではなく幼若な膜状構造として再発していることが多いようです。中には最初の手術で一部汗腺が取り残されている例も見受けられます。この幼若な膜状構造については、中学生ぐらいのワキガ発生期の子供にも見られるもので、これがさらに成熟した腺構造になっていくものと推察されます。

汗腺の再発については皮脂腺説が有力で、これを手術によって完全に除去することは困難である事と、エクリン汗腺は独立してあるため、再発を完全に抑えることは難しいと考えられます。

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